中古マンションの値引きは出来るのか出来ないのか
というご質問をよくいただくのですが、
答えは「出来ます!」
このブログを見ていただくと
値引きできる確率は非常に高まります。
値引交渉の中でも
・メインストリーム的(一般的な、、表面的な、最低限知らなければならない)な話
・アンダーグラウンドな話(小手先のテクニック的な話だけど非常に効く、心理的面から非常に効果がある話)
にわけてお話します。
そして、別トピックとして
・とはいうものの、値引きしない方がいい場合の話
・担当営業マンを味方にする話
も重要ですので解説します。
ただ、アンダーグラウンド的な話は
私がやってきたその方法をここでお話しますが、
これを見ていただいたかた全ての方が用いることができるとは限りません。
その理由は、
方法はわかってもそれをどのタイミングで実施するか
ということが大事という面があるということと、
人によっては価格交渉などの苦手な
シャイな方もいらっしゃいますからね。
私がやってきた方法を公開するというご理解でお聞きください。
ではどのように価格交渉するのか、
具体的な会話事例も交えてお話して行きます
目次
中古マンション値引きのメインストリーム的(表面的)な話
![](https://irealcreation.jp/wp-content/uploads/2020/12/929945_s.jpg)
●売主が一般(不動産会社・宅建業者ではない)の方の場合
「現金で買うから安くしてよ」
これは、テレビドラマ等でよく使われている光景ですが
現実はほとんどの場合 現金かローンか ということは
売主側にとって意味がありません。
ですから、現金だから安くしてという交渉はほとんど効果がないと考えてください。
その理由は住宅ローンを使う場合、
契約前にローンの事前審査をして融資承認の可否を確認しますし、
融資申し込みから融資実行までの期日も以前とは違いかなり短縮されています。
ですからローンを使用する購入であっても
特別な事情がない限り
売主側に不都合はほとんどないのが現状です。
正当に効果のある価格交渉をする為には
売出をしてから現在まで期間を確認してください。
売出直後の間もない物件なのか、売り出して3か月たっている物件なのか。
皆様のご想像通り、売出直後の物件は値引き交渉がしにくく、
売り出してから時間が経過している物件は値引き交渉が比較的しやすくなります。
そして、最初の売出価格はいくらだったのか、その後、価格変更を何回行って現在に至っているのかなど
売却展開の経緯を確認しながら、対策を立てていくことも必要です。
そして、
そのマンションの価格相場確認も当然必要です。
そのマンションの棟内での成約事例(間取・広さ・成約時期)や近隣マンションでの成約事例を確認し買おうとしているマンションの価格の正当性を確認たうえで
価格交渉を行っていくことが重要です。
それから、価格交渉は購入申込書(買付証)という書面での交渉になる
ということをぜひ覚えておいてください。
口頭などでの中途半端な交渉は
売主側・買主側双方にとってかえってマイナスになります。
そして、住宅ローンを組む計画であれば
ローンの事前審査の承認を並行して進めてください。
●売主が不動産会社(宅建業者)の場合
リフォームにいくらかかったのかを確認する
リフォーム施工金額に関しては、リノベーション業者が売主の場合は一般客が施工するよりもスケールメリットによって割安で施工できますが、1物件だけ見るとそれほど大きな差ではありません。
ですから、リフォーム前の マンション本体の相場価格 + リフォーム費用 がわかれば、現在の販売価格はどのくらい利益が乗っているかがおおよそわかります。
リフォーム(リノベーション)前のマンション本体の相場価格(成約事例)の確認をした後に、リフォームにいくらかかったのかを確認(売主業者に確認する)すれば全体価格として客観的に高いのか安いのか判断しやすくなり、それをもとに価格交渉がしやすくなります。
利益率はどのくらいなのか?を知る
完成済みリノベーション物件として販売しているマンションは、一般的にどのくらい利益を見込んで販売しているかといえば、
利益率が大きい会社で15%~20%ぐらいを目安にしています。
但し最近は利益率8%~10%でも収支を組みますし、
販売期間が長くなって売れ残れば赤字でも売ります。
企業は資金を回す必要がありますので、不良在庫は損をしても早く処分したいという考え方が基本的な考え方です。
決算時期にあわせた値引きの話
決算時期は確実に値引交渉しやすくなります。
年間の販売戸数目標や売り上げ目標をクリアするために、通常は決済期に向けて最後の四半期に
数字を詰め込んでいくというのが企業です。
ただ最近は、
これは新築マンションの世界ですけども財閥系のある大手不動産会社などは、
今期の成績が良すぎる為に来期に実績を回そうてして、
物件の引き渡しを期をまたいで実施する、としたケースもあります。
ちょっとびっくりした次第です!
引渡しというのは物件の引き渡し、鍵の引き渡しですが
イコール売買金額全額の支払日ということです。
不動産売買というのは
手付金を支払って売買契約を締結し、
後日、残代金全額を支払いその時に物件に引渡しを受ける
という流れになっています。
不動産会社は
その手付金を支払う売買契約日を売上日とする会社と引渡し日を売上日とする会社に分かれますが、多数派は引渡し日を売上日とする会社です。
売主業者の決算時期を確認してみてください。
中古マンション値引きのアンダーグラウンドな話(テクニック的な話)
![](https://irealcreation.jp/wp-content/uploads/2020/12/810918_s-1.jpg)
なぜ値引き交渉してほしいのか、理由を明確にする
これが大事です。
あやふやに根拠もなく、ただ安くなればいいやと思い
「出来るだけ安くしてくれ」
ということを仲介業者や売主さんに伝えても値引きは不可能です。
まず、値引きの目標金額を決めます。
そしてその理由を明確にします。
「値引き目標金額は200万円です。その理由は物件のキッチンとトイレを交換し壁紙をすべて張替をして住みたいことと、月々の支払いを〇万円までに抑えたいからです。200万円値引きしてもらうと買うことが出来るのでどうぞお願いします。」
という具合ですね。
こうすることで、
本気で買うことを検討しているんだという気持ちが伝わりますし、
誠実さも伝わります。
つぎに「100万円以上の値引交渉金額を提示する」
基本的には販売価格が1000万円以上の物件には
全て適用していただきたいのですが、具体例で解説します。
2980万円で売り出しをしている物件の交渉をするとします。
仮によく言うように端数を切って2900万円なら買います、と購入申込をすると仮定します。
仲介不動産会社の行動心理としては
どこかに着地点を求める、という心理が働きます。
どういうことかというと、売主さんと買主さんの意向の
中間地点をとって着地させようとするという心理状況ですね。
<会話例1>
売主さん「80万円まけるのかー、、もう少しなんとかならない?」
仲介会社「うーん、そうですね、、、でも2900万円でしたら私どもが出した査定金額よりはで多少高いですよ」
売主さん「でもねー、、そうだなぁ、、」
仲介会社「ではこのようにしたらいかがですか、2980と2900の間を取って2940万円で了承するということでいかがでしょうか?」
売主さん「うーんわかった、では2940万円ならいいよ」という感じですね。
ひとつの例ですけども、
このような会話があるとすれば、
最初の購入希望金額を2800万円にしていたら結果が違ったかも、、
と思いませんか?
そこで2800万円なら買います、と購入申込をしたとしたら
<会話例2>
売主さん「180万円まけるのかー、、結構きついなー、それは無理。」
仲介会社「うーん、そうですね、、、、でも2800万円でしたら私どもが出した査定金額と大体同じぐらいですよ」
売主さん「でもねー、、それは無理だよ、、」
仲介会社「ではこのようにしたらいかがですか、2980と2800の間を取って2890万円で了承するということでいかがでしょうか?」
売主さん「うーんそうだな、では10万円上げて2900万円ならいいよ」
という感じですね。
正当性のある強気なほうになびくという事実
これはあなたでもそうだと思うのですが、
極端な例で言いますが、
口うるさい頑固な人と、やさしく柔和な人
がいるとすればどちらを先に説得しますか?、ということです。
但し勘違いしていただきたくないのは「口うるさい頑固な人になってください」ということではありません。
その物件を欲しいと強い意思があり、正当性のある交渉をしていれば
自然と仲介業者も応援してくれるということです。
仲介という仕事はやりがいのある大事な仕事ですが、
体質として中間の着地点を探したり、
圧力が強く働く方に偏ることは否めません。
もしかして将来AIが仲介の仕事にとってかわったとしても、
人間心理の原理は応用するでしょうからかわらないかもしれませんよね。
ぜひ覚えておいてください。
とはいうものの値引き出来ない、もしくは、しない方がよい物件とは
![](https://irealcreation.jp/wp-content/uploads/2020/12/1240487_s-1.jpg)
「売出直後の物件」
売り出してすぐに申し込みが入るなら、
人気があるんだと思いもっと高くで買ってくれる人をさがしてみようと思う。
これが当然の売主さんの心理です。
<対処法>
物件を再度よく見て、設備の不備がある部分や傷など細かいところを見て具体的にこれだけは直してほしいところをピックアップします。
そして具体的に修繕金額を算出して「ここだけは直してください、購入検討される他の方も気なる部分なのではないでしょうか?」と誠実に売主さんに伝えてもらうよう担当営業マンに提案してください。
「売りに出る頻度が低い物件」
住み心地がいいから、
戸数が少ないから、
資産価値があるから売る必要がない、など
売出頻度が低い物件があります。
これは値引きが出来にくい。
不動産というのは
「高く買っても売るときに高く売れればいい」
「安く買ってもそれ以上に安くでしか将来売れないのであれば損してる」
ということですから、
値引きすることだけが得することではない、
ということをよく考えて結論を出す必要があります。
「他に購入希望者がいる物件」
まず、自分が購入申込第一順位かどうかを確認します。
あなたが第一順位で、第二順位の購入希望者もいたとします。
基本的には値引き交渉をしてもらうことはできます。
仮に売主さんが値引き交渉を拒否して「現在の売出価格でしか売りません」といったとすると、
一旦あなたにそのことが告げられて、
あなたが「当初ままの売出価格で買います」といえばあなたが買えますが、
「値引きしないと買いません」と言えば
2番手順位の人に購入権利が移ります。
これが買付順位があるときの慣習的なやりかたです。
ですから他に購入希望者がいる場合には値引き交渉は実質やりにくいですよね。
ただ2番手の購入希望の方も値引き希望の場合は、
それより高い金額であれば交渉できますよね。
臨機応変に対応することになります。
ですから2番手以下の方の情報を仲介業者から入手することが重要です。
担当営業マンを味方にする話
![](https://irealcreation.jp/wp-content/uploads/2020/12/iStock-891524070-1-1024x384.jpg)
不動産営業マンやその上長など全般に言えることですが、
クレーム客を怖がる、、という傾向があります。
売主さんが一般の方の中古マンションであれば
一般的に引渡しから3か月間、
不動産業者売主であれば2年間は「契約不適合責任(以前の瑕疵担保責任)」というものが
売主さんに発生します。
引渡したあとに「非常識なクレーム」を言いそうだ、と思う人には
売ることを避けたいという心理があります。
ですから正当性のないことを言ったり、
あまりにも強引なことを言っていると
担当営業マンは引いていきますから、逆効果になりますよね。
値引きに成功するには
担当営業マンにも自分の立場をしっかり理解させて、
味方になってもらって、
売主さんとの交渉にあたってもらう必要があるわけですから、
嫌われてしまうと損ですね。
業者が売主の場合でも、
仲介業者が中に入っていれば同じですし、
売主の業者と直接交渉している場合でも、
その担当営業マンには値引きの権限がない場合もあり、上司を説得してもらわなくてはならないわけです。
担当営業マンを味方につけましょう!
言い回しとしては例えばこのような感じです。
「頼れるのは、○○さんしかいません。○○さんのプロの腕前で値引きを成功させて見せてください。期待して待ってますよ!」
中古マンション値引きのまとめ
ここまで話しましたが、
最終的に確認しなけばならない根幹は
買おうとしている物件購入金額が、
市場価格より高いか安いか、
もしくは、妥当な金額なのかどうか、ということです。
値引き交渉が上手くいこうが行くまいが、
皆様が確認しなければならないのは市場より高いか安いか、市場相場金額か
ということです。
是非、慎重にご検討いただければ幸いです。
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